問題を把握することが、問題解決よりも重要です
現代のペースの速い生活において、特にポストコロナでは、健康維持のために、運動やフィットネスの重要性を再認識された方が増えつつあり、これらの手段を用いて、健康や体型の改善を図ろうとされています。運動やフィットネスについて話すとき、多くの人の目標は体重減量、筋肉増強、体力向上、体型改善などです。しかし、トレーニング中にはさまざまな困難や挫折にぶつかったり、怪我のリスクにさらされたりすることがよくあります。
これらの問題は、人々が「必要な専門知識を持っていない」ことから起因することもあります。また、表面的な問題に焦点を当て、問題の背後にあるより複雑な要因を無視してしまうことからも生じます。そのせいで、問題が繰り返し発生したり、1つの問題を解決するために、新たな問題を生み出したりすることもあります。以下では、スポーツ現場においてよく起きる問題とその対処法を探ってみましょう。
問題その1:体重や体型の数値に惑わされてしまいます
身体の複雑性を過度に単純化し、体重やウェイトトレーニングの数値だけで自己評価すると、本来の目標を達成できないだけでなく、挫折感をもたらしかねません。我々は通常、気にしているのは健康や外見です。それには多くの要素が関係していますが、ほとんどの人はいくつかの数値だけで自分自身を評価しています。理想的な体型には、本当は低めの体脂肪率、適切な筋肉量、健康な筋肉状態などが含まれており、それが健康的な均衡美につながります。しかし、多くの方は体重のみで自分の身体状態を評価してしまいます。
誤解しないでいただきたいのですが、我々は体重計を否定しているわけではありません。体重計は便利な道具ですが、体重だけで自己評価をしてしまうと、体重が増えると、イラつきや挫折感が募ってしまいます。体重計には定量化の機能がありますが、それに気を取られると、人々は体重以外の多くの要素を見落としてしまいます。実は、人間の体重の約70%は水分であり、つまり、水を多めに飲むと、体重は多少増えますが、それで体型が変化することはありません。同様に、生理周期や仕事のストレスによる体重の変化は、太った、あるいは不健康だ、ということにはなりません。
「人間の体は複雑な有機システムです。」体重が増えたとき、正常な場合もあれば、注意が必要な場合もいくつかあります。たとえば、定期的に運動すると、筋肉の状態が改善され、血管密度が増加し、体の循環が良くなります。そのため、体重の増加につながることもありますが、体型に悪影響を及ぼすことはありません。むしろ、体をより強くし、より引き締まったシルエットをもたらし、いわゆる「健康的な体つき」にしてくれます。
問題その2:融通の利かないウエイトトレーニングモデル
融通の利かないウエイトトレーニングモデルは身体能力の向上を妨げるだけでなく、「より多くの代償動作を引き起こし」、体の生理学的均衡の崩れを引き起こし、体に新たな損傷を生み出します。多くの人々がフィットネスクラブに持っている印象は、まだ一昔のジムの広告に基づいたもので、モデルがダンベルを持ったり筋肉を見せたりするようなイメージのままです。そのため、主な目標を達成するのに、「ウェイトトレーニング」に励むしかない、頻繁にトレーニングを行えば体型が改善されると思い込んでしまいがちですが、実際はそうではありません。
ここでも誤解してほしくないのですが、決してウェイトトレーニングを貶めているわけではありません。ウェイトトレーニングには多くの利点があり、筋肉の耐性を高め、骨格筋の成長を促進し、骨密度を増加させ、必要なホルモンの分泌を促進します。ただし、身体系統を理解するためには、筋肉系統は骨格筋、心筋、平滑筋に分かれており、それぞれ異なる機能を持ち、支え合っていることををご存知ですか。ほとんどの方は骨格筋系しか把握しておらず、他の2つの系統が無視されたり、代償されたり、過剰に働かされることがあります。
体の健康を維持するためには、これらの3つの系統をバランスよく考慮する必要があります。したがって、伝統的なウェイトトレーニングに固執すると、他の系統が見落とされ、代償や不均衡が生じる可能性があります。たとえば、骨格筋ばかり過度に強化し、心筋系を無視すると、心臓の健康問題を引き起こす可能性があります。同様に、平滑筋系を無視すると消化系の問題を引き起こす可能性があります。
問題その3:やってはいけないストレスマネジメント
良いストレスは天国に連れて行ってくれますが、悪いストレスは病室に連れて行ってしまいます。私たちが体にストレスを与えるとき、運動が生活の一部であることをしばしば忘れがちです。多くの人々は健康やより良い生活のためにフィットネスクラブに足を運びますが、「個人の生活パターン」を無視し、バランスを崩してしまうと、過度の疲労、感情の起伏、スポーツ外傷・障害、慢性的な痛みを引き起こす可能性があります。
「生活パターン」とは生活の中での「栄養、ストレス、睡眠、食習慣」などの心身の状態と密接な関係がある要素のことで、これらはすべて、フィットネス効果に影響を与える可能性があります。この「生活パターン」を無視してトレーニングに取り組むと、前述のように運動と生活とのバランスが崩れ、調和が取れなくなることがあります。これが多くの人々が長い間、運動において自分の立ち位置を見つけられず、自分の運動習慣を確立するのが難しいと感じている理由です。これらの問題を解決するためには、身体系統間の相互関係をより深く理解する必要があります。これには生理学、心理学、スポーツ科学の知識が必要です。以下に、運動に対する理解と改善を深めるための対応策を紹介いたします。
- 多様化したパラメータ評価自分自身を本当に理解し、運動の効果をより良く把握したい。そのためには、体重にだけ注目するのではなく、自分自身をより全面的に理解できるように、多様なパラメータ評価を参考にすることをお勧めします。体重にと止まらず、体囲、体脂肪率、代謝率、筋肉量、筋力量、心肺運動負荷試験など、これらの数字は身体の重要な情報を教えてくれ、自分の体形や健康についてより深く理解するのに役立ち、目標に向かってより効果的なトレーニングを行うための参考になります。まずは、客観数字を活用し、自己理解を深め、成功への道を拓きましょう。
- 特定の筋群に焦点を当てたトレーニング運動で効果的に成果をあげるためには異なる筋肉系統と適切なトレーニングパターンを理解することこそが鍵です。骨格筋を例に挙げると、筋持久力、筋肥大、筋力、瞬発力などのトレーニングパターンがあります。それぞれのパターンにはそれぞれの効果があり、目標に応じて適切なトレーニング方法を選択し、柔軟に調整していく必要があります。心筋系統のトレーニングも同じく重要で、有酸素とレーニング、耐乳酸トレーニング、リン酸トレーニングなどが含まれます。これらのパターンは心臓と身体に異なる影響を与えます。最後に、平滑筋系統のトレーニングも忘れないでください。呼吸法やマッサージトレーニングなどを通じて、平滑筋系統を強化できます。要するに、筋肉系統の異なるトレーニングを理解することで、より賢くトレーニングプランを立てることができます。
- ストレス評価とライフスタイル分析身体の疲労やストレスは通常、3つの主要な系統から生じます:筋肉系統、心臓系統、そして神経系統です。疲労を感じたとき、筋肉の疲労だけでなく、心臓の働きや神経系統の調節も大きく影響を与えてしまいます。今現在起きている疲労がどの系統から来ているかをより正確に把握するために、簡単な見分け方があります。体が痛む場合、特に長時間座った後にその痛みを感じる場合、その疲労は単純に筋肉系統から来ているのかもしれません。また、運動中に筋肉の力はありますが、心拍が速すぎ、疲労を感じる場合、心臓系統がより多くのトレーニングを必要としている可能性があります。そして、睡眠不足や仕事のストレスから来る疲労の場合は、主に神経系統の問題です。
これらの3つの系統は互いに影響を与え合いますが、疲労の根源は異なる場合があります。したがって、疲労の種類を把握し、それに応じて適切な対応を取り入れながら調整することで、トレーニングの効率を向上させることができます。運動は体を鍛えるだけでなく、ストレスを調整する手段でもあり、ストレスを増やすことも減らすこともできます。この概念を理解することで、生活の質を向上させる手助けになります。しかし、ストレスを効果的に管理するには、自身のストレス源、疲労状態、ライフスタイルをより深く理解する必要があります。
ストレスを効果的に管理するには、自分自身のストレス源と疲労状態をモニタリングしながら、「栄養バランスの良い食事」「十分な睡眠」「マッサージ、瞑想、呼吸トレーニング」などの適切な休息や回復対策を取り入れて、体のバランスを保つことが重要です。
まとめ
人々がトレーニングをより慎重に、深く考えることで、潜在的なリスクや負のサイクルを回避し、時間とともに積み重ねられる具体的な成功を手にいれることを願っております。自分自身の問題を理解することが解決するよりも重要である理由もそこにあります。健康のための運動とフィットネスは1つの包括的なプロセスであり、専門的な知識と総合的な計画を要します。それが実現できたら、体は外観だけでなく、内部のあらゆる系統も健康になります。
全体的な要因に注意を払い、さまざまなトレーニングニーズを考慮することで、体の最良の状態が実現可能になります。これこそが長期にわたって安定した持続可能な運動法であり、フィットネスの目標です。トレーニングプランで望ましい結果が得られ、その過程で体が適切に守られるように、専門のトレーナーや健康専門家にアドバイスを求めることをお勧めします。
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